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C/2006 P1 McNaught彗星

近日点通過2007年1月12日、近日点距離0.17AU
撮影時の地心距離:0.82AU、日心距離:0.18AU

オーストラリアのサイディング・スプリング天文台による掃天観測、
サイディング・スプリング・サーベイのRobert McNaught氏によって
2006年8月に発見された彗星です。
太陽に接近し、急激に明るくなって、予想外の大彗星となりました。
しかし、日本からの観測条件は非常に悪く、近日点通過の前には夜明け前や日没後の
わずかな時間見られる程度でした。
天候にも恵まれないと見られないため、制約が少ない白昼に狙ってみたところ、
眼視で簡単に見つかり、頭部だけでなく、扇型の短い尾がある姿がわかりました。
撮影時の光度は-5等級に達しており、写真では画面左側に向かって長さ0.3度程度の尾が
伸びていることが確認できます。
彗星の位置は太陽から5度程度しか離れていないので、鏡筒に太陽光が入ってしまい、
コントラストが低下します。
そのため、対物側に立って自分の頭で太陽光を遮りながら撮影しました。
彗星というと、普通は分単位で露出しないと写りませんし、ヘール・ボップ彗星などの
大彗星でも、数秒程度の露出は必要でしたが、1/8000秒で写ってしまうというのは
信じられない状況でした。
この後、太陽から南側に離れた彗星は、南半球から大彗星として観測されています。
日本からでも、尾の先だけは撮影されていますが、全体を見られないのが残念です。

撮影データ
 撮影日時:2007.1.14  14:30〜14:33撮影の52コマ中18コマ
 露出:1/8000秒,  Nikon View 6にてRAW現像後、Registax4により彗星基準でコンポジット合成
 撮影場所:東京都八王子市
 使用機材:PEXTAX 100SDUF + 太陽観測用絞りキャップ(口径48mm 焦点距離400mm F8.3)
      ビクセン スーパーポラリス赤道儀によりノータッチガイド
      ケンコー L41 Super PRO WIDEフィルタ使用
      35mm判換算で1,200mm相当にトリミング
 カメラ:ニコンD70(改) ISO 200
 撮影者:沼尻 裕
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