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C/2012 S1 アイソン(ISON)彗星と火星

近日点通過2013年11月28日、近日点距離0.01AU
撮影時の地心距離:2.50AU、日心距離:1.87AU

コメント:2012年9月に、国際科学光学ネットワーク(International Scientific Optical Network)所属チームにより
     ロシアで発見された彗星です。
     2013年11月末に、太陽表面から117万kmという、太陽の直径よりも近い所を通過するため、
     大彗星となることが期待されています。
     撮影時には、近日点通過まで2か月余りで、彗星は火星近傍にありました。
     写真右下端に写っているのが火星です。
     一方、写真左上の矢印の先に、小さく写っているのがアイソン彗星です。
     かに座の中を移動中で、火星の北東2.4度程の所にありました。
     光度は12等級前後で、右上側に淡い尾が伸びています。
     彗星は火星とほぼ並行して移動しているため、火星を基準にコンポジット合成してみました。
     撮影に要した40分余りの間に移動し、周囲の星が楕円形になっています。
     薄明開始時の地平高度は23度、西空には中秋の名月前夜の月があり、それ以上に明るい
     関東の光害がある環境での撮影でしたが、透明度の良い空のおかげもあり、
     画像処理で彗星の姿が浮かび上がって来ました。
     光害などをカットする目的で、LPS-V4フィルターを使用て撮影しました。
     LPS-V4は彗星の揮発成分による青緑色の光は通すため、青緑色の彗星は写りやすいはずですが、
     フィルターなしで撮ったものとの差があまり感じられません。
     今のところ、アイソン彗星はダスト主体のようです。

撮影データ
 撮影日時:2013.9.18 27:34.6〜28:21.0
 露出:1分×40コマ, DeepSkyStackerにてダーク・フラット補正後、恒星基準でコンポジット合成、
        Adobe Photoshop CS6により調整
 撮影場所:東京都八王子市
 使用機材:miniBORG45EDII + マルチレデューサー0.7×DGT【7870】 D45mm f228mm F5.1
      タカハシ EM-10赤道儀 + ミードDSI-PRO + iAG 0.9.1 により自動ガイド
            LPS-V4フィルター使用
      35mm判換算で約800mm相当にトリミング
 カメラ:ニコンD5100(改) ISO 1600
 撮影者:沼尻 裕
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