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C/2013 US10 カタリナ(Catalina)彗星と金星

近日点通過2015年11月15日、近日点距離0.82AU
撮影時の地心距離:1.46AU、日心距離:0.90AU

コメント:2013年10月に、アリゾナ大学の月惑星研究所(LPL)が行っている
     Catalina Sky Surveyによって発見された天体です。
     当初は小惑星だと思われていましたが、その後彗星としての活動が
     観測されました。
     近日点に近付いたところで増光が鈍りましたが、それでも6等級まで
     明るくなりました。
     撮影時には近日点通過から20日程経過して、徐々に太陽から離れていますが、
     まだ地球軌道より内側にあり、地球には接近中しつつあります。
     薄明開始時の高度は15度強とまだ低く、かなり厳しい位置でしたから、
     少しでも高度が上がる薄明中に撮影を行いました。
     さらに、下弦を過ぎた月齢23の月が出ていて、写真右に写っている金星の
     強烈な光もありましたが、フラット補正やカブリ補正によって、複雑な形の
     尾が伸びた姿が浮かび上がって来ました。
     青緑色の彗星頭部から、下側にダストテイルが伸び、アンチテイルになっています。
     また、右上側にはイオンテイルが伸び、枝分かれしたり曲がったりした上、
     大きく乱れながら長く伸びています。
     肉眼では彗星は見えなかったものの、小型双眼鏡やファインダーによる眼視では、
     彗星頭部が確認できました。
     また、天体望遠鏡では、イオンテイルの濃い部分が見えていました。
     なお、カメラをウェイト軸先端の低い位置に付けた関係で、近くに生えていた
     草などの地上物が、左下に黒く写り込んでいます。

撮影データ
 撮影日時:2015.12.4 29:10.4〜29:21.0
 露出:1分×10枚、StellaImage6.5にてダーク・フラット補正後、恒星基準でコンポジット合成、
    Adobe Photoshop CS6により調整
 撮影場所:山梨県富士河口湖町
 使用機材:Ai Micro-Nikkor 55mm F2.8S → 絞りF4
      タカハシ EM-10赤道儀 + QHY5L-U + PHD2 v2.5.0により恒星ガイド
      35mm判換算で約120mm相当にトリミング
 カメラ:ニコンD7000(無改造) ISO 1600
 撮影者:沼尻 裕
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